Chainlink（チェーンリンク／LINK）とは？
Chainlink（LINK） は、ブロックチェーン上のスマートコントラクトに「現実世界のデータ」を提供する分散型オラクルネットワークです。
この仕組みにより、従来はブロックチェーン外部から取得できなかった価格情報、APIデータ、決済情報などを安全かつ信頼性の高い形でスマートコントラクトに組み込むことが可能になります。
Chainlink の分散型オラクルネットワークを構成する各「オラクル」は、正確なデータ提供を行うことで評価スコアを獲得し、報酬としてネットワークのネイティブトークン LINK（ERC-20トークン） を受け取ります。
仕組み
Chainlink ネットワークは大きく 3つのステップ に基づいて動作します。
- オラクル選定
ユーザーは取得したいデータ要件を記載したサービスレベル契約（SLA）を作成。Chainlink はこの条件に基づき、最適なオラクルをマッチングします。 - データ報告
選定されたオラクルが外部データソースに接続し、必要な情報を取得。取得したデータをスマートコントラクトへ送信します。 - 結果集約
集約コントラクトにより複数オラクルのデータが検証され、信頼度の高い結果が算出されてスマートコントラクトに返されます。
このプロセスにより、複数の情報源を組み合わせて検証することで、正確性が高まり、不正データや攻撃からスマートコントラクトを保護することができます。
LINK トークンの役割
- 報酬：オラクル（ノード運営者）は、データ提供の対価として LINK を受け取ります。
- ステーキング：オラクルは LINK をステークし、ネットワークへの誠実な参加を保証。悪意ある行為を行えばステーク分を失う仕組みです。
- 価値の源泉：LINK の価値は、分散型オラクルネットワークにおける利用需要やユースケースの広がりに比例して高まります。
創設者
Chainlink は 2014 年設立の SmartContract 社 により開発されました。
- Sergey Nazarov（セルゲイ・ナザロフ）：共同創業者兼CEO。過去には Secure Asset Exchange を設立。
- Steve Ellis（スティーブ・エリス）：共同創業者兼CTO。ソフトウェアエンジニア出身。
- Ari Juels（アリ・ジュールズ）：ホワイトペーパーの共同執筆者。コーネル大学教授、IC3ディレクター。
特徴とユニーク性
- 分散型オラクル：ブロックチェーンと外部世界をつなぐ「オラクル問題」を解決。
- オフチェーンアーキテクチャ：API など外部データソースに接続可能、柔軟で拡張性が高い。
- クロスチェーン互換性：Ethereum だけでなく、複数のブロックチェーンで稼働可能。
トークン情報
- 最大供給量：10億 LINK
- 流通量：約 4.1億 LINK
- ICO調達額：2017年、約3,200万ドルを調達
- 時価総額ランキング：常に上位に位置
LINK は ERC-20 規格に準拠し、さらに ERC-677 インターフェースを実装。支払いと呼び出しを同時に行うことができ、効率性を高めています。
セキュリティ
Chainlink ネットワークは Proof of Stake に類似したモデルを採用。
ノード運営者は LINK をステークし、データ契約を獲得する権利を得ます。誠実なサービスを提供すれば LINK 報酬を獲得、不正行為をすればステークを失います。
また、以下のスマートコントラクトにより安全性を担保：
- 集約コントラクト：最も正確なデータを選定。
- 注文マッチングコントラクト：SLAに基づき最適なオラクルを選定。
- 評判コントラクト：オラクルの信頼度をスコア化。
まとめ
Chainlink（LINK） は、スマートコントラクトに外部データを安全に接続することで、ブロックチェーンの可能性を大きく広げたプロジェクトです。
金融、保険、ゲーム、NFT など幅広い分野において不可欠な存在となりつつあり、そのユーティリティと需要の拡大に伴い、LINK トークンの価値も高まっています。
