NEXO (ネクソ)とは？
Nexo は、暗号資産を担保とした融資サービスを中心に展開する 中央集権型金融（CeFi）プラットフォーム です。
中央集権型金融（CeFi）は、一般ユーザーをデジタル資産の世界へ導く上で大きな役割を果たしてきました。CeFiの事業領域は幅広く、Robinhood傘下のBitstampのような取引所から、Crypto.com のようなハイブリッド型サービス、さらに融資・借入を提供するプラットフォームまで多岐にわたります。
Nexoは、法定通貨による暗号資産購入からトークンスワップまで多様なサービスを提供していますが、特に注目されているのは 暗号資産を担保とした融資サービス です。2018年から2023年の間に、Nexoは利用者に対し総額70億ドル超の与信枠を発行しました。また、カストディアンとの提携による資産保険や定期的な監査を導入しており、CelsiusやBlockFiといったCeFi融資サービスの崩壊後、ユーザーにとって重要な信頼確保措置を講じています。
同プラットフォームは NEXOトークン を発行しており、ホルダーは暗号資産報酬や取引手数料の割引、融資における優遇金利といった特典を享受できます。これらはマルチティア型のロイヤルティプログラムに基づいて提供されます。
NEXO (ネクソ)の歴史
Nexoは Antoni Trenchev、Georgi Shulev、Kalin Metodiev によって2018年に設立され、TechCrunch創業者である Michael Arrington からの資金援助を受けてローンチしました。
同社はこれまでに 世界600万人以上の利用者 を獲得し、累計処理額は1,000億ドルを超えています。一方で、規制強化や法的問題といった試練にも直面してきました。たとえば、Celsiusの破綻時にはその資産買収を提案したこともありました。また、2022年8月には共同創業者の一人Shulev氏を巡る和解契約の問題で法廷闘争に発展しました。
さらに、規制当局による監視強化は同社に大きな影響を与えています。2023年1月、ブルガリア当局は資金洗浄や脱税の疑いでNexoのオフィスを家宅捜索し、同月には米国証券取引委員会（SEC）が未登録証券と見なしたEarn商品に関して、4,500万ドルの罰金と米国内でのサービス停止を発表しました。
このような状況を受け、Nexoは一部地域でのサービス縮小や事業再編を余儀なくされ、2023年5月には英国での一部事業を解散しました。
NEXO (ネクソ)の仕組み
Nexoは独自の企業体によって運営されており、完全な中央集権型構造を採用しています。分散型を重視するユーザーも多い一方、この中央集権モデルによりNexoは各国の規制に準拠し、必要な登録・ライセンスを取得することで法的な安定性を確保しています。
- 米国では FinCEN登録のマネーサービス事業者（MSB）
- イタリアでは OAM（Organismo Agenti e Mediatori）認定の仮想通貨事業者
- 米国複数州では 送金業者および貸金業ライセンス
さらに、定期的な監査の実施、資産保険、業界パートナーとの提携（カストディサービスなど）により信頼性を強化しています。
NEXO (ネクソ)の主要機能
暗号資産担保ローン
Nexo最大の特徴は、暗号資産を担保とした融資サービスです。ユーザーは保有する暗号資産を担保に、法定通貨またはステーブルコインを借り入れることが可能です。ローンは常に過剰担保化され、デフォルトリスクが抑えられています。
暗号資産ごとにローン・トゥ・バリュー（LTV）比率が異なり、NEXOは15%、USDCなどのステーブルコインは最大90%の借入が可能です。また、ユーザーは必要に応じて追加担保（トップアップ）を行えます。
金利はロイヤルティティアによって異なり、プラチナ会員 ではLTV比率が20%未満であれば金利0%での借入も可能です。
ロイヤルティプログラム
Nexoのロイヤルティ制度はNEXOトークンの利用価値を高める要素です。保有割合に応じて Base / Silver / Gold / Platinum の4ティアが設定され、以下の特典があります：
- 借入金利の優遇
- 取引ごとのキャッシュバック
- 無料の暗号資産出金回数
- Nexo Cardでの還元率向上
- 一部地域での高利回りEarn口座
（例：プラチナ会員は借入金利0～7.9%、交換キャッシュバック0.5%、最大16%の利回り）
その他のサービス
- 暗号資産購入（法定通貨・カード対応）
- Nexo Card（暗号担保型クレジット機能付きカード）
- スワップ/トレード（複数の流動性ソースと連携、手数料無料）
- Nexo Earn（一部地域で利用可能、日次利息支払い）
- ステーキング（ETHをNETHに変換し利回り獲得、特定地域限定）
NEXO (ネクソ)トークンの役割
2018年に「NEXO Dividend Token」としてローンチされたNEXOは、ERC-20規格に準拠したイーサリアムベースのトークンです。当初は配当型証券トークンとして設計され、利益の30%をNEXOホルダーへ分配していました。実際に2021年には2,000万ドル超の配当が行われましたが、その後は日次利息報酬方式に移行しました。
NEXOのユースケースは以下の通りです：
- ロイヤルティティアに基づく特典（借入優遇、取引報酬増加、出金無料枠など）
- プラットフォーム手数料支払い（割引あり）
- ガバナンス投票（DAOではなく利用者意向を測る仕組みとして実装）
トークン分配
- 投資家向けトークンセール：52.5%
- オーバードラフト準備金：25%
- 創業者・チーム：11.25%
- コミュニティ/エアドロップ：6%
- アドバイザー/法務/広報：5.25%
最大供給量は10億NEXOです。
まとめ：NEXO (ネクソ)の本質
- Nexoは暗号資産担保ローンを中心に展開するCeFiプラットフォーム
- 2018年設立、世界的に成功を収める一方で規制強化に直面
- NEXOトークン はロイヤルティティアを通じ、ユーザーに多様な特典を提供
