米国最大の暗号資産取引所であるCoinbaseは、通貨監督庁（OCC）に対し連邦信託会社免許の申請を行っていることを発表しました。同社の機関向けプロダクト担当バイスプレジデントであるグレッグ・トゥサー氏は、この免許取得により新商品の規制プロセスが簡素化され、デジタル資産と伝統的金融との融合が加速すると述べています。
トゥサー氏は、Coinbaseは銀行への転換を意図していないと強調しつつも、明確なルールと規制当局および顧客からの信頼が、安全性を担保しながら継続的なイノベーションを推進する基盤になるとしています。トランプ政権によるより友好的な規制環境の整備を背景に、Paxos、BitGo、Ripple、Circleなどの暗号資産関連企業も相次いでOCCに銀行免許を申請しています。
アナリストによれば、連邦信託会社免許を取得することで、Coinbaseは米連邦準備制度（FRB）の決済システムに直接アクセスできるようになり、ステーブルコインおよびカストディ業務に対しても一層の信頼性を付与することが可能となります。認可が下りれば、Coinbaseは連邦レベルで免許を取得する5社目の暗号資産企業となります。
「Coinbaseは銀行になる意図はありません」と、Coinbase機関向けプロダクト担当バイスプレジデントのグレッグ・トゥサー氏はブログ記事で述べています。「私たちは、明確なルール、そして規制当局や顧客からの信頼こそが、Coinbaseが適切な監督と安全を確保しながら自信を持って革新を続けるために不可欠であると強く信じています」。
現在、Coinbaseの主な規制下にあるカストディサービスは、Coinbase Custody Trust Company（CCTC）を通じて運営されており、同社はニューヨーク州のBitLicense制度に基づき認可を受けています。この枠組みは2015年に導入されたもので、米国における最初期の州レベルの暗号資産規制モデルの一つです。
連邦信託会社免許を取得することにより、Coinbaseは暗号資産決済などの新しい金融サービスを、各州の承認を個別に得ることなく、より柔軟に展開できるようになります。
