LayerZero（ZRO）とは？その仕組みと特徴を徹底解説
LayerZero（ZRO）とは？
LayerZeroは、異なるブロックチェーンネットワーク間のギャップを橋渡しすることを目的としたプロジェクトです。
クロスチェーン通信をシームレスに実現し、資産やデータを複数のチェーン間で自由に移動させることができます。
Ultra Light Nodes（ULN）、リレーラー、オラクルを活用することで、安全かつ効率的でスケーラブルな相互運用性（Interoperability）ソリューションを提供します。
DeFi、NFT、ゲームなどのWeb3分野において、ユーザー体験を向上させ、統一された分散型アプリケーション（DApps）エコシステムの構築を支援します。
LayerZero（ZRO）の主な特徴
- 相互運用性（Interoperability）
異なるブロックチェーン間で資産やデータを簡単に移動可能。例えば、EthereumからBNB Smart Chain（BSC）へのトークン移動も、複雑な交換や中央集権型サービスなしで行えます。 - Ultra Light Nodes（ULN）
従来のフルノードやライトクライアントに比べ、計算リソースや帯域幅を大幅に削減しつつ、安全性を担保。 - リレーラーとオラクル
リレーラーはトランザクション証明を送信、オラクルは検証データを提供。両者の協調により、単一の権限による操作リスクを排除。 - セキュリティ
トランザクションの承認にはリレーラーとオラクル両方の同意が必要。複数の主体間で信頼を分散することで攻撃リスクを低減。 - スケーラビリティ
高効率な設計により、多数のクロスチェーントランザクションをボトルネックなく処理可能。特にDeFiやNFT領域での需要増加に対応。 - 開発者フレンドリー
SDKやAPIを提供し、DAppsへのクロスチェーン機能統合を容易にサポート。
LayerZero（ZRO）の仕組み
LayerZeroは、ULN、リレーラー、オラクルという主要コンポーネントによりクロスチェーン通信を実現します。
Ultra Light Nodes（ULN）
- 軽量ノードでフルノード並みのセキュリティを提供
- 大量データの保管・処理不要で高効率
- オフチェーンのリレーラーとオラクルに検証業務を委任することでパフォーマンス維持
リレーラー（Relayer）
- トランザクション証明を送信
- 複数の独立リレーラーが動作し、中央集権化を防止
- 証明提供のみで最終承認権限はなし
オラクル（Oracle）
- クロスチェーン検証に必要なデータを提供
- リレーラーの証明と一致することでトランザクションが承認される
検証プロセスの流れ
- 送信元チェーンでトランザクションを開始
- リレーラーが証明を生成
- オラクルが検証用データを提供
- 送信先チェーンに証明とデータを送信
- 両者が一致すればトランザクションを最終承認
LayerZero（ZRO）と従来のブリッジの違い
| 項目 | LayerZero | 従来のブリッジ |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | ULN + リレーラー + オラクルでオフチェーン処理 | フルノードやライトクライアント依存 |
| セキュリティ | 複数主体で信頼を分散 | 単一または中央集権的検証者に依存 |
| 効率 | 低リソース・低コストでスケーラブル | 高リソース消費、手数料高 |
ZROトークン
ZROはLayerZeroのネイティブガバナンストークンです。
コミュニティの意思決定やプロトコル改善に対する投票権を付与します。
2024年6月20日にBinanceで上場されました。
ZROトークンエアドロップ
総供給量の8.5%を対象ウォレットに配布。
- コアコミュニティ：5%
- RFP（Request for Proposal）：3%
- コミュニティプール：0.5%
LayerZero（ZRO）の独自性
LayerZeroは、分散型オラクルとULNを組み合わせる独自のアプローチにより、異なるブロックチェーン間で資産だけでなく状態やデータまでシームレスに移動可能にしています。
これにより、DApps開発者はプロトコルを柔軟にカスタマイズでき、効率的かつユーザーフレンドリーなクロスチェーン体験を提供可能です。
LayerZeroは、Web3領域におけるクロスチェーン相互運用性の新たな標準となる可能性を秘めています。
