ether.fi（ETHFI）とは？
ether.fi（ETHFI）は、2023年にローンチされたEthereumネットワーク上の分散型リキッドステーキングプロトコルです。シンプルかつ安全で報酬性の高いEthereumステーキングの方法を提供することを目的としており、ローンチ後急速に成長し、時価総額は2億ドルを超え、Paradigm、Coinbase Ventures、North Island Venturesといった著名VCからの支援も獲得しています。
ETHFIトークンはether.fiプロトコルのガバナンストークンであり、保有者はether.fi DAO（分散型自律組織）の意思決定に参加することができます。
主要概念とプロジェクト用語
- リキッドステーキング: 従来のEthereumステーキングではETHを一定期間ロックする必要がありますが、ether.fiはLST（Liquid Staking Token）を通じて流動性を維持しながらステーキングを可能にします。
- LST（Liquid Staking Token）: ether.fiでETHをステーキングすると、ETHFIトークン（LST）を受け取ります。これはステーキング済みETHを表し、DeFiアプリ（貸付、借入、イールドファーミング等）で利用可能です。
- stETH: LidoプラットフォームでのステーキングETHを表すトークン。CurveやAaveなどDeFiで広く利用されています。
- eETH: ether.fi特有のリキッドステーキングトークンで、stETHを預けることで発行され、追加報酬獲得が可能です。
- ノードオペレーター: Ethereumバリデータを稼働させる主体。ether.fiは分散型のノードオペレーター網を構築し、セキュリティと信頼性を確保しています。
開発と投資家
ether.fiはether.fi Labsによって開発され、Ethereumステーキングを誰もがアクセス可能で流動性のあるものにすることを使命としています。
- 共同創業者:
- Mike Silagadze（CEO、ブロックチェーンと起業の専門家）
- Tim Frost（CTO、熟練エンジニア兼ブロックチェーン開発者）
- 投資家:
- Paradigm
- North Island Ventures
- Maven 11
- Variant
- Coinbase Ventures
さらに、RedStone Oraclesとの5億ドル規模のリステーキング契約、Omni Networkとの6億ドル規模の提携を締結しており、事業規模を拡大しています。
仕組みと利用方法
ether.fiは非カストディ型の委任リキッドステーキングプロトコルとして稼働し、ETHをロックすることなくLSTを発行します。
プロセス
- ETHをステークしstETHを取得（Lido経由も可能）。
- stETHをether.fiにデポジット。
- eETHをミント（ether.fi独自のLST）。
- eETHをDeFiで活用（流動性提供、貸借、イールドファーミング、ネイティブリステーキング等）。
報酬
- ETHステーキング報酬（Ethereumネットワークから）
- ETHFIトークン報酬（エコシステム参加インセンティブ）
eETHのユースケース
- DEXでの流動性提供（Uniswap、Curve等）
- 貸借プラットフォームでの担保利用（Aave、Compound等）
- イールドファーミング
- ネイティブリステーキング（EigenLayer等による複利報酬）
eETHは流動性と柔軟性を兼ね備え、DeFi全体での利用を可能にします。
ETHFIトークンの役割
- ガバナンス: プロトコルのアップグレードやトレジャリー管理に投票可能
- 流動性マイニング報酬
- 担保資産として利用
トークン配分（例）
- チーム・アドバイザー: 23.26%
- 投資家・初期支援者: 32.5%
- DAOトレジャリー: 27.24%
- Protocol Guild: 1%
- 流動性供給者: 3%
- その他（Launchpool、エアドロップ、IEO等）: 約33%
ETHFIはデフレモデルを採用し、トークンバーンや買戻しにより供給を段階的に減少させます。
まとめ
ether.fi（ETHFI）は、Ethereumステーキングを誰もが簡単に、安全に、かつ流動性を保ちながら参加できるようにする革新的なプロトコルです。eETHを通じてDeFiでの幅広い活用を可能にし、さらにETHFIトークンによるガバナンスとインセンティブ設計でエコシステムを拡大しています。
今後もether.fiは、ステーキングの利便性と効率性を高め、EthereumおよびDeFiエコシステムの発展に貢献していくと期待されます。
