暗号資産 IOTA（アイオタ）とは何か、そしてその仕組みとは？
IOTA は「Internet of Everything（あらゆるもののインターネット）」に特化して設計された分散型台帳であり、人間とコンピュータ間での価値およびデータの交換を可能にする新しいタイプのネットワークです。
IOTA は従来型のブロックチェーンを使用せず、独自の検証ノードシステム「Tangle（タングル）」を採用しています。IOTA ネットワークのネイティブ暗号資産は MIOTA です。
IOTA（MIOTA）とは
IOTA はオープンソースでスケーラブルな分散型台帳であり、人間と機械間でシームレスな価値およびデータ転送を実現するために開発されました。このプロジェクトは「Internet of Everything」と呼ばれる次世代デジタル革命のために構築され、手数料のない取引、改ざん不可能なデータ、低リソース需要を特徴としています。IOTA ネットワークは大規模なインフラ投資を必要とせず、IoT（モノのインターネット）を支えることが可能です。
IOTA は、機械経済の創出と維持、さらには機械と人間の間の金融関係処理を含む「次の産業革命」において重要な役割を果たすことを目指しています。MIOTA は、この新しいデジタル経済を駆動するコインです。
IOTA の仕組み
IOTA は従来のブロックチェーンではなく、「Tangle」と呼ばれる独自のデータ構造を提案しました。Tangle は DAG（Directed Acyclic Graph：有向非巡回グラフ） を利用した構造であり、これにより IOTA ネットワークはビットコインが抱えるスケーラビリティ問題を克服します。
IOTA の取引は直列処理ではなく並列処理が可能であり、未確認取引をキューにためる必要がありません。また、ノード数が増えるほどネットワークは効率的かつ安全性が高まる設計となっています。Tangle にはフルノードマイナーが不要であるため、従来のブロックチェーンシステムよりも低コスト・省電力で効率的です。
IOTA の創設者と歴史
IOTA は 2015 年に David Sønstebø、Dominik Schiener、Dr. Serguei Popov、Sergey Ivancheglo によって共同設立されました。当初の目的は IoT を民主化し、その力を活用することでした。
2017 年には初期投資家が総供給量の 5％を寄付し、研究開発・標準化・教育を推進するために IOTA Foundation（財団） が設立されました。現在、同財団は INATBA（国際信頼ブロックチェーン応用協会） の理事会メンバーであり、Trusted IoT Alliance や MOBI（モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ）の創設メンバーでもあります。
IOTA の特徴
- 手数料ゼロの取引
- 即時性の高い取引検証
- 無制限のスケーラビリティ
- 省電力かつ効率的なネットワーク設計
これらの特性により、IOTA はスマートシティや産業 IoT におけるインフラレベルでの採用が期待されています。すでに 台北市 ではスマートシティ化の一環として IOTA の導入が試みられており、自動車産業（Volkswagen など）、エネルギー（ElaadNL）、ヘルスケア（E-Health）などでも活用が進んでいます。
トークン供給量と市場情報
- ネイティブトークン：MIOTA
- 総供給量：2,779,530,283 MIOTA（すべて ICO 投資家に配布済み）
- 過去最高値：5.27 米ドル（2017 年 12 月）
- 現在の時価総額：約 35.1 億米ドル（暗号資産市場ランキング 25 位）
まとめ
IOTA は従来のブロックチェーンとは根本的に異なる設計思想を持つ革新的なプロジェクトです。スマートシティや次世代産業革命の中核を担う可能性があり、手数料ゼロ・高速・改ざん耐性といった特性から、将来的にはユーザーにとって魅力的な決済手段となることも期待されています。
