Story（IP）とは何か？
はじめに
Story Protocolは、Web3ネイティブの知的財産（IP）インフラストラクチャ・プロジェクトであり、IPの創造・ライセンス・リミックス・収益化を、パブリックブロックチェーン上でプログラム可能かつ相互運用可能なものにすることを目的としています。
本エコシステムのネイティブトークンである story（IP） は、プロトコル設計の中でガバナンスおよびユーティリティの役割を果たします。Story Protocolの使命は、これまで法的契約や中央集権型プラットフォームに依存してきたIP管理を、オンチェーン資産へと変換し、インターネット上で拡張・結合・ライセンス・報酬付与を可能にすることです。
技術的には、story（IP）はEthereumネットワーク上のERC-20トークンとして存在し、Proof of Stake（PoS）コンセンサスを基盤としています。さらにプロトコルは、スマートコントラクト標準・レジストリ・ライセンスフレームワークを提供し、派生作品に関する出所証明、帰属、ロイヤリティ分配をコード化することを目指しています。
これにより、Story Protocolは ブロックチェーン、暗号資産、NFT、Web3におけるIP管理 に関心を持つクリエイター、開発者、プラットフォームにとって有用であると同時に、時価総額・流動性・採用状況を重視する投資家やトレーダーにとっても魅力的な存在となっています。
重要なポイント
- Story Protocolは、IP登録・ライセンス・収益化に特化した Layer-1ブロックチェーン です。
- ERC-721およびERC-6551規格を活用し、プログラム可能なIP資産をNFTとして導入しています。
- Storyは、オンチェーン投票と現実世界の法的インフラを組み合わせたDAOにより運営されています。
- 登録可能なIPには、画像・音楽・実世界資産（RWA）・AI学習用データセットなどが含まれ、オンチェーンの利用規約に基づいてライセンス化されます。
- IPトークンは、ステーキング、ガバナンス、ガス料金の支払いに利用され、総供給量は10億枚に制限されています。
ストーリーの背景と歴史（IPトークン）
Story Protocolは、2022年 に Seung Yoon Lee、Jason Levy、元Google DeepMindプロダクトマネージャーのJason Zhao によって設立されました。創業のきっかけは、AIがクリエイターに正当な報酬を与えることなくコンテンツをリミックスしてしまうという問題意識にありました。
- Seung Yoon Lee は英国オックスフォード大学を卒業後、連載小説プラットフォーム Radish を開発。また、韓国最大級の暗号資産ファンド Hashed においてベンチャーパートナーを務めた経歴を持ちます。
- Jason Zhao はスタンフォード大学を卒業し、Google DeepMindにてプロダクトマネージャーを歴任。最新のAI研究成果を商業化する業務に従事していました。
- Jason Levy はスタンフォード大学卒業生であり、世界有数のモバイルストーリーテリングプラットフォーム Episode にてコンテンツおよび知的財産の責任者を務めました。
2023年9月、Story Protocolは a16z crypto をリードインベスターとする 2,500万米ドルのシリーズA資金調達 を発表しました。他の主要投資家には、韓国最大のブロックチェーンファンド Hashed、スキー選手 谷愛凌のエージェンシーである Endeavor、サムスンの投資部門 Samsung Next、さらに世界最大級の暗号資産アクセラレーター Alliance が含まれます。
IPトークンの供給構造
Story Protocolのネイティブトークンである IPトークンの初期供給量は10億枚 に設定されており、そのうち 25%がすでにアンロック済み です。残りは以下の割合で割り当てられています。
- エコシステムおよびコミュニティ：38.4%
エコシステム成長とコミュニティ発展を目的とし、マーケティング、イベント、資金提供などを通じて開発者・ユーザーを支援。 - 初期インセンティブ：10%
エコシステム拡大を促進するための早期報酬プログラムを含む。 - 財団：10%
財団スタッフへの資金提供やStoryブロックチェーン関連サービスの構築、教育支援、エコシステムの持続的な発展に必要な基盤整備に活用。 - 初期サポーター：21.6%
初期投資家およびアドバイザーへの割り当て。 - コア貢献者：20%
人材採用費用やStoryブロックチェーン開発に貢献したチームメンバーへの報酬に充当。
