ジャスミー（JASMY）とは何か
ジャスミー（JASMY）は、ユーザーが自らのデータを管理・収益化できるようにするプラットフォームであり、IoT（モノのインターネット）デバイスを通じてさまざまな方法でデータを活用することを可能にしています。
データは非常に価値のある資産です。GoogleやMetaなどの企業は、ユーザーのオンライン行動、好み、交友関係などのデータを収集し、それを広告主などに販売して利益を得ています。しかし、ユーザー自身はその利益を得ることができず、自身のデータがどのように利用されているかについてもほとんど管理できません。
ジャスミー（JASMY）はこの状況を変革し、データをユーザー自身の手に取り戻すことを目指しています。同社は「データの民主化」という理念を掲げ、IoTインフラを活用してユーザーが自身のデータを価値化できる仕組みを構築しています。
IoTとは、現実世界のデバイスがデータを収集し、インターネットを介して相互に通信する仕組みを指し、自動化などの重要な機能を実現します。
ジャスミー（JASMY）のブロックチェーンにおけるネイティブトークンは「JasmyCoin（JASMY）」であり、プラットフォーム上での価値交換の媒介として利用されます。
ジャスミー（JASMY）の開発経緯
ジャスミー（JASMY）は2016年に佐藤一雅氏と安藤国威氏によって設立されました。
佐藤氏は1980年に経済学の学位を取得後、ソニーの情報技術部門に入社し、長年にわたりIT分野での経験を積んだ後、ブロックチェーン技術によるデータセキュリティの分野に進出しました。
安藤氏は2000年から2005年までソニー株式会社の社長を務めました。その他の経営陣も多くがソニー出身者で構成されています。
設立初期にはICO（イニシャル・コイン・オファリング）によって資金調達を行い、ソニー時代のネットワークを活かして日本国内の大手企業との提携を進めました。
2023年8月には、Ethereum向けのレイヤー2ソリューションである「Jasmy Chain」を発表し、高速かつ効率的なトランザクションを実現しました。
さらに2024年5月には、同社が開発した別のL2「JANCTION」と韓国の匿名掲示板との提携を発表し、注目を集めました。
ジャスミー（JASMY）の仕組み
Jasmyのプラットフォームは、ウェアラブル端末などのIoTデバイスを通じてユーザーのデータを収集します。
このデータは「パーソナルデータロッカー（PDL）」に安全に保存され、他と隔離されたプライベートな環境で管理されます。
オフチェーンで運用されるPDL内のデータはハッシュ化（特定不可能な形式への変換）され、ブロックチェーン上で安全に管理されます。
ジャスミー（JASMY）のデータエコノミーを支える2つの主要サービスは以下の通りです：
- セキュア・ナレッジ・コミュニケーター（SKC）：
個人データの登録および管理を行うサービス。KYC（本人確認）機能を備え、ユーザーの実在性を確認します。PDLへのデータ入力や、データの管理・追跡も可能にします。 - スマート・ガーディアン（SG）：
IoTデバイスとJasmyの機能をつなぐ媒介役であり、「Know Your Machine（KYM）」プロセスを通じてデバイスの登録・認証を行います。ユーザーIDとデバイスIDを紐づけ、SKCを経由して検証済みデータの流通を可能にします。
これらにより、Jasmyは「データを生成・所有するユーザー」と「そのデータを活用したい企業」とをつなぐデータ取引市場を構築しています。
企業はデータ提供者であるユーザーに対してJASMYトークンで報酬を支払い、Jasmyは仲介手数料を得る仕組みとなっています。
JASMYトークンの用途
JasmyCoin（JASMY）はEthereumのERC-20規格に準拠したトークンで、プラットフォーム上での価値交換のために使用されます。
ユーザーは自身のデータを提供することでJASMYトークンによる報酬を受け取ることができ、企業側はサービス利用料をJASMYで支払います。
トークン配分
総発行枚数は500億枚で、その内訳は以下の通りです：
- 30%：ユーザー報酬としてJasmy社が保有
- 22%：事業資金調達（投資家向け）
- 20%：開発者支援・新プロジェクト推進
- 10%：エアドロップ（プロジェクト認知促進）
- 9%：従業員・開発チーム向け
- 8%：事業運営費用
（※残り1%の用途は公式資料では未公表）
JasmyCoinの目的と特徴
JasmyCoinは、IoT分野におけるデータプライバシーとセキュリティの課題解決を目的としています。
主なユースケースとしては、安全なデータ保存、データ交換、データの収益化などが挙げられます。
プロジェクトの最終目標は、ユーザーが自らのデータ利用を自由に決定できる「データ民主主義」の実現です。
JasmyCoinはインフレ防止のためのバーン機構を備え、エコシステム参加者への報酬を通じて持続的なトークン価値の維持を目指しています。
まとめ
ジャスミー（JASMY）は、データを生成するユーザーと、それを利用したい企業をつなぐデータ取引プラットフォームを提供しています。
ソニー出身の経営陣によって日本で設立され、Secure Knowledge Communicator と Smart Guardian の2つのコア機能を基盤に、データエコノミーを構築しています。
JASMYトークンは、プラットフォーム上での価値交換の媒体として機能し、ユーザーが自身のデータを通じて報酬を得ることを可能にします。
