リップル (RLUSD) とは？リップルのステーブルコイン完全ガイド – 価格、XRPとの関係性、ユースケース
リップル (RLUSD) とは？リップル (RLUSD) の意味
リップル (RLUSD) は、Ripple Labsの完全子会社であるStandard Custody & Trust Company, LLCによって発行される米ドル建てのステーブルコインです。各RLUSDトークンは、米ドルおよびその他の現金同等物によって1対1で裏付けられており、米ドルと等価の価値を維持することを目的としています。ビットコインやXRPのように価格が変動する暗号資産とは異なり、RLUSDは価格安定性を重視して米ドルにペッグされています。2023年12月4日にニューヨーク州金融サービス局（NYDFS）の承認を受けてローンチされ、急成長するステーブルコイン市場におけるRippleの参入を象徴しています。
RLUSDの特長は、「信頼性」「流動性」「規制遵守」に重点を置いている点です。特に国際送金に特化して設計されており、ブロックチェーン技術のスピードと効率性を活用しながら、デジタルドルへの信頼できるアクセスを提供します。RLUSDは、法定通貨の安定性とデジタル資産の利点を融合させ、グローバルに価値を移転する必要がある企業や個人に対して、規制準拠かつ透明性の高いソリューションを提供します。
主なポイント
- RLUSDはRipple子会社であるStandard Custody & Trust Companyにより発行され、米ドルおよび現金同等物によって1:1で裏付けられた規制下のステーブルコイン。
- XRP Ledger（高速かつ低コスト）およびEthereum（スマートコントラクト機能）のデュアル実装。
- XRPと競合するのではなく補完関係を持つ。RLUSDは安定的な価値保存を担い、XRPは国際送金のブリッジ通貨として機能。
- 主に機関投資家向けに設計され、国際送金、外国為替市場、貿易決済にフォーカス。
- NYDFS規制下で運営され、準備金の定期的な監査を必須とするため、透明性は他の一部ステーブルコインより高い。
- 現在の時価総額は約2億9400万米ドルで、Rippleが90以上の市場に展開する国際送金ネットワークに統合することでさらなる成長が見込まれる。
リップル (RLUSD) の仕組み
RLUSDは、XRP Ledger（XRPL）とEthereumネットワーク上にネイティブ発行されたマルチチェーン対応のステーブルコインです。これにより、それぞれのブロックチェーンの特長を活かすことが可能となっています。
- XRP Ledger上での特長
- 取引は3〜5秒で確定
- 超低コスト（1取引あたり約0.0002ドル）
- 1秒あたり1,500件以上の高スループット
- Trust Lines機能によるセキュリティ（ユーザー承認なしに資産を受領できない仕組み）
- Ethereum上での特長
- ERC-20規格に準拠
- UUPSUpgradeableパターンを採用し、アドレスを変更せずにスマートコントラクトをアップデート可能
- 複数の第三者機関による監査済み
さらに、RLUSDはStandard Custody & Trust Companyの厳格な管理下に置かれ、発行・償却など重要な操作は複数署名（MultiSign契約）を必要とする仕組みで行われます。また、制裁リストや不正取引に関連するアドレスに対しては凍結機能を有し、コンプライアンスを担保しています。
リップル (RLUSD) とXRPの違い
よくある質問の一つは、「RLUSDとXRPはどう違うのか？」というものです。両者はRippleエコシステムの一部ですが、役割は根本的に異なります。
- RLUSD：米ドルに1:1でペッグされたステーブルコイン。価格安定性を維持することが目的で、ブロックチェーン上の「デジタルキャッシュ」として機能。
- XRP：市場で価値が変動する暗号資産。異なる通貨間の国際送金を迅速に仲介する「ブリッジ通貨」として設計。
例えば、米国から日本に送金する場合、ドルをXRPに変換し、数秒で国境を越えて送金後、日本で円に換金できます。この際、RLUSDは安定したドルのデジタル表現としてスタート地点を担い、XRPのブリッジ機能を補完します。
結論として、両者は「競合」ではなく「補完」関係にあります。
リップル (RLUSD) のユースケースと利点
- 国際送金：ほぼリアルタイム決済、低コスト、摩擦の軽減を実現。
- 外国為替市場：ブロックチェーンによるアトミック決済で透明性・スピード向上。
- グローバルなデジタルドルアクセス：不安定な通貨を持つ地域での安定した決済・送金手段。
- 銀行・ファンドマネージャーの貿易決済：流動性リスクを低減し、透明性と効率性を強化。
- 現実資産のトークン化：不動産や国債などの資産に対して安定した交換媒体を提供。
- 暗号資産のオン・オフランプ：法定通貨と暗号資産の橋渡し役。
他のステーブルコインとの比較
- USDTとの比較：USDTは規模で圧倒的だが、規制透明性はRLUSDが優位。
- USDCとの比較：どちらも機関向け。RLUSDは国際送金特化、USDCはDeFiなど広範な用途。
- BUSDとの比較：BUSDは発行停止。RLUSDは規制下で安定的な代替を提供。
- DAIとの比較：DAIは分散型・暗号担保型、RLUSDは中央集権型・法定通貨担保型。
リップル (RLUSD) 将来展望
- Rippleの国際送金ネットワークとの完全統合により採用拡大が見込まれる。
- 世界的な規制整備の進展により、NYDFS準拠のRLUSDは有利な立場を獲得可能。
- XRPL/Ethereum以外のチェーンへの拡張やDeFiとの統合など技術的進化の可能性。
- 「インターネット・オブ・バリュー」の実現に向けた中核的役割を担う構想。
