Stellar（XLM）とは？仕組みと概要
Stellar（XLM）の概要
Stellar（ステラ）は、分散型ピアツーピアネットワークであり、しばしばXRPの主要な競合と見なされています。XRPが銀行や金融機関を対象としているのに対し、Stellarは一般ユーザー向けの日常的な支払い手段として設計されており、迅速かつ低コストな少額決済に強みを持ちます。
Stellarのネイティブトークンは Lumens（ルーメン / XLM） と呼ばれ、現在は時価総額ランキング第21位、約91.6億ドルの価値を有しています。
Stellar（XLM）とは？
「Stellar Lumens」という呼称を目にすることがありますが、正しくは Stellarがネットワーク名、Lumens（XLM）がその暗号資産単位 です。
Stellarネットワークは、法定通貨から既存資産や新しいトークン（ドル、ユーロ、ビットコイン、株式、金など）まで幅広い価値を移転可能にし、それらをXLMを介して円滑に取引できる仕組みを提供します。
Stellarの仕組み
Stellarは分散型のサーバーネットワークとして構築され、各ノードは独立して稼働し、中央管理者は存在しません。ネットワークは同期と合意形成によって取引を検証し、分散型台帳を維持します。
取引の検証には Stellar Consensus Protocol（SCP） が用いられ、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク型ブロックチェーンに比べて効率的かつスケーラブルです。さらに、アンカー（Anchors） と呼ばれる信頼できる仲介者が預金の管理や信用発行を担い、異なる資産とStellarブロックチェーンを橋渡しします。
創設者と開発組織
Stellarは Jed McCaleb（ジェド・マケーレブ） によって設立されました。彼はStellar Development Foundation（SDF）の創設者であり、ビットコイン初の大規模取引所Mt.Goxの創設者、またRipple（XRP Ledger）の元CTOとしても知られています。
その他の主要人物には、SCPの設計者 David Mazieres、SDFのCEO Denelle Dixon、共同創設者の Joyce Kim らが含まれます。
Stellarの特長
Stellarの特徴は、次の要素を組み合わせた総合的な仕組みにあります。
- 完全な分散型ネットワーク
- 利便性の高い設計
- 複数通貨・資産のサポート
- 高速かつほぼ無料の取引
Stellarの価値源
Stellarは当初、年間1％のインフレを組み込んでいましたが、2019年にユーザー投票で廃止されました。同年、SDFは供給量を大幅に削減し、現在は総供給量を約500億XLMに調整しています。
また、トランザクションごとに0.00001 XLM（100 Stroops）がバーンされる仕組みがあり、不正なスパム取引を防止しています。
Stellarの価値は、限られた供給量に加え、安価かつ効率的に国境を越えたデジタル資産移転を可能にする実用性に基づいています。
流通量と市場データ
- 発行開始時：1000億XLM
- 2019年以降：供給量を約500億XLMに削減
- 過去最高値：2018年1月、1XLM = 0.889 USD
セキュリティとネットワーク保護
Stellarネットワークは、誰でも検証ノードになれる完全分散型モデルを採用。さらに、トランザクションごとの小額手数料によって、不正なゼロ取引スパムを防止しています。
Stellarの活用事例
Stellarは、グローバルなパートナーシップを構築しており、Samsung Mobileへの統合をはじめ、IBM、Stripe、Wirex、SureRemit、Smartlandsなど多数の企業と連携しています。
また、XLMは総供給量が固定されているため、マイニングやステーキングは行われません。
結論
Stellar（XLM）は、あらゆるデジタル資産や通貨のクロスボーダー決済を可能にする分散型暗号資産です。XRPが主に金融機関向けであるのに対し、Stellarは一般利用者に焦点を当てた「ユーザーフレンドリーな決済基盤」として位置付けられています。
