テゾス（XTZ）とは？
Tezos（テゾス／XTZ）は、分散型アプリケーションや資産を作成・ホスティングするために設計された、オープンソースかつ自己アップグレード可能なブロックチェーンプラットフォームです。Tezosのステークホルダーは、プロトコルのアップグレードやガバナンスプロセスそのものの修正を含む意思決定を担っています。ネイティブトークンは「Tez（テズィー／Tezzie）」として知られています。
2018年に行われたTezosのICOは2億3,200万ドルを調達し、当時史上最大規模のものとなりました。法的・運営上の課題に直面した時期もありましたが、その後は解決され、特にステーキング（「ベーキング」）機能の人気を背景に注目を集めています。
テゾス（XTZ）の仕組み
テゾス（XTZ）は、保有するXTZトークンを用いてネットワークルールの変更に投票できる点が特徴です。合意が形成されると、ソフトウェアは自動的にネットワーク全体で更新されます。これによりユーザー自身がネットワークの将来を方向付けることが可能となります。
このオンチェーン・ガバナンスシステムは、ユーザー満足度を高めると同時に、ハードフォークの発生可能性を大幅に減少させました。
テゾス（XTZ）のブロックチェーンは以下の2つの主要部分に分かれています。
- ネットワークシェル：トランザクションや管理オペレーションを処理し、ユーザー投票に基づき自己修正を行う部分。
- ネットワークプロトコル：提案をシェルに送信し、レビューを受ける部分。
合意形成には「リキッド・プルーフ・オブ・ステーク（LPoS）」と呼ばれる独自の仕組みを採用。XTZをステーク（ベーク）することで、検証者＝「ベーカー」となります。1ノードあたり8,000XTZが必要です。
テゾス（XTZ）の歴史と創設者
テゾス（XTZ）は2014年にArthur Breitman氏とKathleen Breitman氏により構想され、スイスを拠点に開発されました。2017年のICOではBTCやETHで資金を募り、2週間で2億3,200万ドルを調達しました。その後、財団運営を巡るトラブルがありましたが解決し、2018年に正式に稼働しました。
テゾス（XTZ）の特徴
- 自己進化型ブロックチェーン：自動アップグレード機能を持ち、参加者が提案に賛否を投票可能。
- オンチェーンガバナンス：中央集権化を排し、ユーザー主導でネットワークを運営。
- LPoSモデル：ステークに柔軟性を持たせ、誠実なノード運用を促進。
- ハードフォーク回避：ユーザー合意に基づく進化により分岐リスクを低減。
トークン（XTZ）の役割と価値
- ネットワークの維持・運用（送金、決済、ステーキング）。
- ベーキングによる投票権行使。
- Securitize、BTG Pactual、tZeroなど企業がTezos上で資産をトークン化。
流通量は約7億6,200万XTZで、毎分80XTZが新規発行され、年率約5.5％のインフレ率となっています。
ガバナンスプロセス
テゾス（XTZ）では、4つの投票期間（各23日間）を経て提案が承認されます。
- 提案期間：ベーカーがネットワーク変更を提案。
- 探索投票期間：80％の賛成を得た提案が次段階へ。
- テスト期間：提案が一時フォークで試験運用。
- 昇格投票期間：最終投票で80％以上の賛成を得ると本実装。
承認された提案にはインボイスが添付され、ベーカーが報酬を得る場合もあります。
セキュリティ
- 分散型ネットワークにより単一障害点が存在せず、ステークホルダー合意なしに改変は不可。
- 暗号技術によるユーザー情報保護。
- LPoSによりステークの委任移動を容易にし、健全なネットワーク行動を促進。
ユースケース
- ステーキング：XTZをベークすることで報酬獲得。
- DApps開発：tzBTCやTezsureなどが既に構築済み。
- 決済・投資：投機資産や支払い手段として利用可能。
ウォレット選択
- ハードウェアウォレット：Ledger、Trezorなど。大規模保管や高セキュリティに適す。
- ソフトウェアウォレット：モバイル・デスクトップ向け。カストディ型／非カストディ型が選択可能。
まとめ
テゾス（XTZ）は、自己進化可能なガバナンスシステムを備えたユニークなブロックチェーンであり、ハードフォークを回避しながら分散型アプリケーションの基盤を提供します。XTZトークンによる投票とステーキングを通じてユーザー主導で成長していく点が、暗号資産市場における大きな魅力となっています。
